OpenOnDemandの対話的な開発環境の利用(Jupyter, VS Code)

目次

デスクトップ環境

OpenOnDemandのデスクトップ環境では、グラフィカルなインターフェース(GUI)を通じてアプリケーションを利用できます。

主な用途:

  • GaussViewなどのGUIベースのソフトウェアの利用
  • ファイルマネージャーでの直感的なファイル操作

 

セッションの起動方法

デスクトップ

  1. ダッシュボードから「Desktop」アイコンをクリック
  2. セッション設定画面で以下を設定:
    - Number of hours: 利用時間を指定
  3. [Launch]ボタンをクリック
  4. セッションの準備が完了したら、[Launch Desktop]ボタンをクリック

セッションの管理

  • 実行中のデスクトップセッションは、ダッシュボードの「My Interactive Sessions」から確認できます
  • セッションを終了するには、「My Interactive Sessions」から該当するセッションの「Delete」をクリックしてください。

注意事項

  • ブラウザのタブを誤って閉じた場合でも、セッションは維持されています。「Launch Desktop」から再接続可能です
  • 指定した利用時間を過ぎると、セッションは自動的に終了します
  • リソースの効率的な利用のため、作業終了後は速やかにセッションを終了してください

Jupyter Notebook

Jupyter Notebookは、プログラムコードと実行結果、説明文を1つのノートブック形式でまとめることができる対話的な開発環境です。
Pythonをはじめとする様々なプログラミング言語に対応しています。
Jupyter

基本的な使い方

セッションの開始

  1. OpenOndemandのダッシュボードから「Jupyter Notebook」アイコンをクリック
  2. 設定画面で以下の項目を指定: 
    - Number of hours: セッション時間(時間単位)
  3. 「Launch」ボタンをクリック
  4. 準備完了後、「Connect to Jupyter」ボタンをクリック
    - 新しいタブでJupyter環境が開きます

新規ノートブックの作成

  1. 画面右上の「New」ボタンをクリック
  2. プログラミング言語・実行環境の選択
    - 表示される一覧から利用したい環境を選択します
    - デフォルトは「Python3 (ipykernel)」: /apl/conda/20240305 のPython 3.10環境
Create_New_Notebook

※作成後でも画面右上のメニューから別の実行環境に切り替えることができます。

補足:ここで選択する実行環境のことを「カーネル」と呼びます。カスタマイズした環境の追加方法については、後述の「Python環境のカスタマイズ」セクションで説明します。

ノートブックの基本操作

セルについて

ノートブックは「セル」と呼ばれるブロックの集まりで構成されています。各セルには以下の種類があります:

  • コード:プログラムを書き、実行するための領域
  • マークダウン:説明文を書くための領域(Markdown形式で書式設定可能)
  • Raw:書式設定なしの純粋なテキスト用の領域
基本的な操作方法
セルの操作:
  • 新しいセルの追加: 画面上部の [+] ボタン
  • セルの種類の変更: ツールバーのドロップダウンで「Code」、「Markdown」など選択
  • セルの実行:Shift + Enterキー(または実行ボタン▶)
    - コード:プログラムが実行され、結果が表示されます
    - マークダウン:書式が適用された文章が表示されます
  • セルの選択:セルをクリック(青枠が表示されます)
その他の操作:
  • ファイルの保存:Ctrl + S または画面上部の保存アイコン
  • セルの削除:セルを選択して D キーを2回押す
  • 実行順序の確認: セルの左側に表示される番号で確認できます

Python環境のカスタマイズ

デフォルト環境

デフォルトで `/apl/conda/20240305` と同じPython環境(Python 3.10)が利用可能です。
* 当環境にインストールされているPythonパッケージがそのまま使用できます 

カスタム環境の追加手順

独自のPython環境をJupyterで使用したい場合は、シェルにて以下の手順で設定します:

Conda環境を使用する場合:

# 環境の作成と有効化
conda create -n myenv python=3.10  # 任意の環境名とPythonバージョ
conda activate myenv

# 必要なパッケージのインストール 
conda install ipykernel # Jupyter用カーネル
conda install <必要なパッケージ名>

# Jupyterのカーネルとして登録
python -m ipykernel install --user --name myenv --display-name "My Python Env"

venv環境を使用する場合:

# 環境の有効化
python -m venv myenv
source env_name/bin/activate

# ipykernelのインストール 
pip install ipykernel
pip install <必要なパッケージ名>

# Jupyterのカーネルとして登録
python -m ipykernel install --user --name myenv --display-name "My Python Env"

登録が完了すると、追加したカーネルが選択可能になります。

注意事項

  • ブラウザのタブを誤って閉じた場合でも、「My Interactive Sessions」から再接続可能です
  • 指定した利用時間を過ぎると、セッションは自動的に終了します

VS Code (Code Server)

VS Code は多機能なコードエディタで、プログラミングやテキスト編集を効率的に行うことができます。
ファイルの編集、プログラムの実行、デバッグなど、開発に必要な機能が統合されています。

基本的な使い方

セッションの開始

  1. OpenOndemandのダッシュボードから「Code Server」アイコンをクリック
  2. 設定画面で以下の項目を指定:
    - Number of hours:セッション時間を指定します(時間単位) 
    - Working Directory:作業ディレクトリを指定します 
      * デフォルトではホームディレクトリ($HOME) 
      *「Select Path」ボタンで別のディレクトリを選択可能
    - Codeserver Version:使用するバージョンを選択 
      * 特別な理由がない限り、最新版(4.8)を推奨
  3. 「Launch」ボタンをクリック
  4. 準備完了後、「Connect to VS Code」ボタンをクリック→新しいタブでVS Code環境が開きます

基本的な画面構成

  • 左側のサイドバー:ファイル一覧や拡張機能などの各種機能にアクセス
  • メインエディタ:ファイルの編集領域
  • 下部パネル:ターミナル、出力、デバッグ情報などを表示
code-server

ファイル操作

  • ファイルを開く:
    - サイドバーのファイルエクスプローラーからファイルをクリック
    - または Ctrl + O で開くファイルを選択
  • ファイルの保存:Ctrl + S
  • 新規ファイル作成:Ctrl + K N

ターミナルの利用

ターミナルを利用してコマンドライン操作が可能です:

  • ターミナルを開く:
    - メニューから [Terminal] → [New Terminal] を選択 
    - または Ctrl + ` (バックウォート)
  • 複数のターミナル:
    - 新規ターミナル:[+]ボタン
    - ターミナルの分割:[Split Terminal]アイコン
    - ターミナルの切り替え:ターミナルパネル右のメニューを使用

拡張機能

VS Codeでは、必要に応じて拡張機能をインストールできます。
インストールした拡張機能は、セッションを終了した後も保持されます。

  1. サイドバーにある Extensions アイコン(四角が4つ重なったアイコン)をクリック
  2. 検索バーに、必要な拡張機能の名前やキーワードを入力
  3. 目的の拡張機能を見つけたら、[Install]をクリック

便利な機能

  • コマンドパレット:Ctrl + Shift + P
    - VS Codeの全機能に素早くアクセス
  • ファイル内検索:Ctrl + F
  • プロジェクト内検索:Ctrl + Shift + F

注意事項

  • ブラウザのタブを誤って閉じた場合でも、「My Interactive Sessions」から再接続可能です
  • 指定した利用時間を過ぎると、セッションは自動的に終了します